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活動内容・お知らせ

まなざし 2020年5月

それは我が子を深く胸に抱き、そっと見下ろす母のまなざしのような、

やわらかな色の三日月でした。

 

 

5月の下弦の月が、瞬くように静かに仕事帰りの私を見下ろしていました。

 

 

この月のような優しい気持ちで、

そして、打たれても折れないしなやかな強さで、

あなたたちみんなを守りたい。

 

 

翼っ子の誰一人、再び孤独で暗い部屋に戻らせないように。

くちびるを結んで、駅からの夜道を歩きます。

 

 

愛媛大学プロテオサイエンスセンター長

坪井敬文博士の新型コロナウイルス対策の御教示を受けて、

翼学園も4月13日から教室での授業とカウンセリングを休止しました。

やむを得ない選択です。

 

 

長い長い苦しみの末、やっと家から出て翼学園に通えるようになったのに、

コロナで再び家の中だけの生活になってしまった、41人の子ども達。

その子達一人ひとりへ、毎日の電話やメール。
今夜もついつい遅くなりました。

 

 

コロナから人々の命と暮らしを守るために、

市や県庁や、国へ、請願に行ってくださる方々がいます。
食べ物やマスクを、沢山の人々に提供して下さる方々がいます。

ついつい尖ってしまいがちな不安な心を慰めるために、

不特定多数の人々に音楽やダンスや演劇を提供して下さる方々がいます。

その他、たくさんの方々が、周りの人々に愛を投げかけています。

 

 

 “今、あなたは、誰かのために何が出来ると思いますか?” 

 

 

「スタッフ全員で力と心を合わせて、翼学園の子ども達を全力で守りきる。」 

それが今の私に、力の限りで出来ることです。

 

 

私は翼学園の子ども達に、教室で毎日のように教えていました。

「自分さえ良かったらいいんじゃない。

 今の自分より、もっと苦しい思いをしている友達がいる。

 そのことに気付けるような、素敵な人になろう。

 そして、苦しんでる誰かのために、

 今の自分になら何が出来るかを考えながら生きてる人間になろう!

 翼っ子のみんな、私の仲間になってください。」

 

 

周りがみんな追い詰められた今こそ、どう生きるかを問われ、

ほんとうのあなたを発揮できる時ではないでしょうか。

 

 

コロナの終息を心から願いつつ、

翼学園指導者の私たちは明日も朝から夜まで、一人ひとりの子どもへ電話を掛け続けます。

放っておけない、閉じこもりそうな心のケアと毎日一時間の電話学習指導のために。

 

 

電話の向こうに、嬉しそうに受け応えてくれるあの子たちの声が聞こえます。

あの子たちが、明日も電話が鳴るのを待ってくれているから、私達の胸も弾みます。

 

 

今は子どものいない翼学園で、

私達は毎日、今日の子ども達の様子を報告し合います。

 

 

 『教室ではほとんど喋らないあの子が、

  今日、電話では沢山話してくれて嬉しかったです。』 

 

 『あの子の学習が今日はとても調子良く、ぐんと進みました。

  電話を切る時、よく頑張ったね、と言うととても嬉しそうでした。』

 

 『昨日はお母さんと公園までジョギングしたと嬉しそうな声でした。』

 

 『先生、運動会はやれるんかなあ、と、不安そうに呟いてました。』

 

 『あの子からこんな相談を受けましたが、

  ひとまずお母さんに事情を聞いてみましょうか。』 ……

 

 

スタッフからの報告と相談は尽きることなく、時間が経つのも忘れます。

寡黙なあの子、お喋り好きなあの子の元気な声が、今日も聞けて良かった!
一箇所にじっとしているのが苦手なあの子は、明日はどんな一日を過ごすかしら。

 

 

職員会議の最後には、一日も早くあの子達と、この翼学園の教室で会いたいね ・・・
私達はそれぞれにうなづき合い、明日も頑張ろうと誓い合って解散します。

 

 

電話やメールだけの指導でも、

子ども達は、刻一刻と成長していくのがつぶさに伝わってきます。

10月に延期になった「TSUBASA運動会」を、

とても楽しみにしている翼っ子一人ひとりの笑顔を
スタッフそれぞれの胸に思い浮かべながら

明日もまた、熱い職員会議になることでしょう。

 

 

 

 

翼学園の玄関前

休講になってからも

職員が大切に世話を続けています

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